〜せる・〜させる
1
使役|強制を表す
★★★★
ほかの人にある行為をすることを強制したり指示したりすることを表します。
使うときの注意立場が上の人が立場が下の人に行為の強制や指示をするときに使うことが多いです。
ふつう、「〜」が他動詞の場合は、実際に行為をする人を「〜に」で示します。「〜」が自動詞の場合、実際に行為をする人を「〜を」で示します。ただし、「(橋を)渡る・(歩道を)歩く」など、「を」が必要な自動詞の場合は「〜に」で示します。
接続型
V(使役の形)
先生は生徒たちに将来の目標について作文を書かせた。
子どもが食べたがらないものを無理に食べさせるのは、よくないだろうか。
小学校の入学式では、子どもにきちんとした服を着させないと。
運動部のコーチ「試合が近いから、来週から部員たちを朝7時に学校へ来させよう。授業前に練習をさせたいんだ」
運転者には、後部座席の同乗者にもシートベルトを着用させる義務があります。もしシートベルトをさせなかった場合は警官に注意を受けると思います。
この道路は、信号がなくて危ないので、子どもたちにはきちんと歩道橋を渡らせている。
2
使役|許可を表す
★★★★
ほかの人がある行為をすることを許可・容認することを表します。また、ほかの人の行動を妨げないで、そのままの状態にしておくことを表します。
「〜(さ)せてあげる・〜(さ)せてもらう・〜(さ)せてくれる」や「〜(さ)せておく」という形で使うことも多いです。
使うときの注意ふつう、「〜」が他動詞の場合は、許可・容認してもらう人を「〜に」で表します。「〜」が自動詞の場合は、許可・容認してもらう人を「〜を」で表します。
接続型
V(使役の形)
今日はスーパーで子どもたちに自由に好きなお菓子を買わせた。
何をやっても文句を言う人はどこにでもいるから、言いたい人には言わせておけばいい。
めぐみは疲れているようだから、起こさずにこのまま寝させておこう。
小学生のころ、うちではテレビゲームをやらせてもらえなかった。
本人の希望通り、部長は山田さんをアメリカに駐在させました。
私のことを束縛しないで好き勝手にさせてくれた両親に感謝しています。
子どもの夢をかなえるために、イギリスに留学させてやることにした。
3
使役|感情誘発を表す
★★★★
ある人の行為やある出来事が原因で、他の人が何かの感情を持つことを表します。
使うときの注意「〜」には、心の動きを表す自動詞(「驚く・怒る・笑う・心配する」など)がきます。
実際に感情を持つ人をふつう「〜を」で示します。
感情の原因を「〜て」で表すことが多いです。
接続型
V(使役の形)
田中君はいつも面白いことを言ってみんなを笑わせる。
結婚しないと言っていた佐藤さんが一番早く結婚して、友達をびっくりさせました。
若いころはわがままを言って、よく母を怒らせたり悲しませたりしたものだ。
夏休みに家族とハワイへ行く予定だったが、仕事が入って行けなくなり、家族をがっかりさせてしまった。
自分が楽しむだけでなく、他の人を楽しませられるようになりたい。
11月なのに今日は暖かくて、春を思わせる一日でした。
4
使役|責任を表す
★★★
好ましくない出来事が起こったことについて、何かの責任があることを表します。話し手自身に責任があるときは後悔、聞き手や第三者に責任があるときは非難の意味になります。
「〜(さ)せてしまう」の形で使うことも多いです。
使うときの注意ふつう、「〜」が他動詞の場合は、出来事の主体を「〜に」で示します。「〜」が自動詞の場合は、出来事の主体を「〜を」で示します。
接続型
V(使役の形)
私の不注意で子どもにやけどをさせてしまった。
うちの金魚を死なせたのは私だ。えさをやりすぎた。
「遅くなりました。お待たせしてすみません」
親「使ったものは、元の場所にしまいなさい。同じことを何度も言わせないで」子「ごめんなさい」
父が肥料のやり方を間違えて、バラを弱らせてしまった。
妹はいつも高い服を欲しがって、祖父母にたくさんお金を使わせてしまう。
5
使役|補助を表す
★★
ほかの人の動作を手助けすることを表します。その人の意志だけでは動作がよくできない場合に使います。また、コントロールしなければ別の動きをしてしまう物の動きをコントロールするという意味でも使うことがあります。
使うときの注意ふつう、「〜」が他動詞の場合は、動作をする人などを「〜に」で表します。「〜」が自動詞の場合は、動作をする人などを「〜を」で表します。
接続型
V(使役の形)
散歩の時間になると、保育士たちが子どもたちに靴を履かせる。
赤ちゃんにミルクを飲ませたり遊ばせたりしていると、1日があっという間に終わってしまいます。
この電車、走るのが遅くなってきたな。新しい電池を入れて、もっと速く走らせよう。
コロンブスがみんなの目の前で卵を立たせたというエピソードを知っていますか。
6
使役|原因を表す
★★
ある人の行為や出来事が原因で、ある事態が起こることを表します。
使うときの注意「〜」には、結果として起こる事態を表す自動詞がきます。
原因を「〜が」で示します。その結果として変化する物事を「〜を」で示します。
接続型
V(使役の形)
ユーラシア大陸からの冷たい空気が日本海側の地方に雪を降らせる。
言語の獲得は人類の思考能力を大きく発達させた。
田中先生の優しい一言が一郎を再び立ち上がらせた。
環境破壊が地球の生態系を変化させている。
ストレスや環境の変化は、うつ病を悪化させる原因となる。
7
使役|他動詞化を表す
★★
自動詞の使役の形を、他動詞のように目的語をとる動詞として使う言い方です。
使うときの注意「〜」は自動詞です。
「〜が〜を〜(さ)せる」という形で使います。「〜が」は、人・人の行為・出来事などを示します。「〜を」は、変化する物事を示します。
接続型
V(使役の形)
火山の噴火が町を消滅させた。
2年かけて、展覧会に出す作品を完成させた。
今日は早く仕事を終わらせたい。
大統領は自国の経済を安定させるために、輸入品に高い関税をかけた。
古代ギリシアの医師ヒポクラテスは、科学的な医学を発展させた賢人だ。
私はガーデニングが好きですが、毎年きれいな花を咲かせるのは難しいです。
8
使役|他動詞化|部分の変化を表す
★★
人や物の部分の変化を、その人や物がその部分に作用を与えるかのように表現するときに使います。
使うときの注意「〜」は自動詞です。
「〜が〜を〜(さ)せる」という形で使います。「〜が」は、作用を与える人や物を示します。「〜を」は、作用を受ける部分を示します。
接続型
V(使役の形)
仕事が忙しいときには、疲れた脳をリフレッシュさせることも大切です。
桜の木もつぼみを膨らませています。もう春です。
あの子は口をとがらせて母親に何か文句を言っている。
子どもは目を輝かせながら大好きなゲームをしていた。
サッカーの練習の後、息子はおなかをすかせて帰ってきた。